高校生の職業観
高校の図書館に「いろいろな職業」の本棚があった。産業ごとに、様々な職業の解説の本が全部で35冊くらいあった。
その背表紙をぜんぶ見て、「この中に私のつきたい職業はない」と思った。
割と絶望だった。
だって、ちょっと考えてみてもこの35以外の職業なんてほとんど思いつかない。だってぜんぶの産業を網羅してるんだから、これ以外にあると考えるのがまちがっている。
・・・このなかから選ばなくちゃいけないのか。
とりあえず、大学四年間は猶予があるとしても、その後すぐにこの35の職業のうちの一つを選んで働かなくちゃいけないんだ・・・
なんてつまらないんだ。
そんな四年前が懐かしい。
結局大学四年の今、あの35冊の本には載っていなかった職に、この春から就く予定である。
私が思っているより、世界は広いし多様だということを一つの事実として知るのではなく、実感できる機会がなくては。
自分の道を知らず知らずのうちに狭めてしまうと思う。
選んだ道を正解にする力というのはもちろん大事だけれど、できる限り多くの選択肢を知った上で選んだ選択肢であるというだけで強い。
現在においても、私は自分の世界を自分で狭めてしまってはいないだろうか。