瀟洒、典雅

日々思ったこととか、学んだことをアウトプットしていく

音楽と思い出 スピッツは女だと思っていた

高校のときのお昼休みには、放送部の生徒によるラジオ番組みたいなものが時折かかっていてその中にどんなラジオ番組にも必ずある、音楽のコーナーというものがあった。

ただふつうのラジオ番組とちがうのは、リクエストの音楽をかけるのではなくて、いつも同じ音楽をかけていたこと。

毎回なので、すっかり覚えてしまった。

 

最近になって判明したのだが、あのときの音楽はユーミンの14番目の月、のスピッツのカバーだった。

 

人というのはある音楽を何度も聞くと、ついつい好きになってしまうものらしい。

例に漏れず、私もスピッツの14番目の月が好きになった。

でも、何の曲かわからない。

当時、YouTubeとかiTunesなんてないから、メロディや歌詞の断片を手掛かりに、曲名を探すのは困難だった。

 

今は良い世の中になったものだ。

だって、iPhoneに向かって鼻歌をうたえば曲を探してくれるのだ。なんということだ。

小さい頃、よくラジオや街角や、誰かの車でかかっている音楽を聞いて、いいな、と思っても何の曲か分からない。曲名がわからないから再び聞くことはできない。という、迷宮入りしたお気に入りの1曲がたくさんある。

悲しいことだ。

もし今なら、すぐに検索してiTunesでダウンロードすれば、ずっと手元に置いておくことができるのに。

 

でも一方で、手に入りづらいということのメリットもある。

それは、再び迷宮入りしたお気に入りの一曲に出会えたときの感動がはんぱなくて、それはかなりとくべつな一曲になるのだ。

 

そうだな、私の場合はあれだ。

Tears For FearsのSowing the Seeds of Loveという古い曲だ。

もう名前も忘れた友達がくれたカセットテープに入っていた曲だ。すごく好きで、何回も聞いているうちにカセットテープが擦り切れてしまった。

終わりだ。もう二度と聞くことはできない。

 

そう思っていたら、偶然みたONE DAYという映画の挿入歌で使われていて、もう泣きそうなくらい感動した。

これ!!!この曲!!!ずっと探してた!!!

 

もう二度と会えないと思っていた人に再会できた気持ちとでも言おうか。

 

 

 

 

話はだいぶそれたが、私はスピッツの14番目の月だけ聞いて、この声の主は女性だと思い込んでいた。

なんて色っぽい艶のある声なんだと思っていて、私も26くらいになったらこんな恋がしたいと思っていた。

 

なんと男だったとは。

 

こういうのがあるから面白い。

 

世の中にあるすべての音楽をきくことは無理だろう。

だからこそ、耳にする音楽を、たまたま耳に入ったものも含めて、大事にしていきたい。