キュンとくる連絡先交換
ふたつある。
1つは、フィレンツェを旅していた時のこと。
街角に品の良いレザーの小物屋さんがあって、
一人で見ていた。店員さんも素敵だった。
勧められたキーケースを購入した。
ーフィレンツェにはいつまでいるの?
ー明日には帰らなきゃいけない
ーそうなんだ、悲しいな。今日は何をするの?
ー明日に備えて休むかな〜
ーそんな!お酒がない夜なんて味気ない
今夜、あそこに見えるミケランジェロ広場でミュージックナイトがあるんだ
ーそうなのね
ーあの丘で、君を待ってる。信じてるからね。
と言って、お店のカードにアドレスを書いてくれた。
爽やかでとてもよい。
二つめは、難波のガールズパーでアルバイトをしていた時。
金髪で長髪、バンドTとダメージの黒スキニー、いかにもなバンドマンだった。
私はキャッチで街角に立っていて、声をかけられた。1時間だけお店で飲んだ。
なんと、彼はきょうびスマートフォンではなくガラケーで、帰り際にコースターの裏に電話番号を書いてくれた。
ー気が向いたら連絡しますね〜
ー連絡こないんだろうなあ
誰にいうでもなく呟いていた。