瀟洒、典雅

日々思ったこととか、学んだことをアウトプットしていく

食べ物をつくるということ

実家が農家だったので、小さい頃から牛や馬や鶏たちと同じ屋根の下で生活していたし、夏には田植えをして秋には百合の花が咲き、生い茂った稲穂を刈り取り、冬は冷たい大地をただ見つめていた。

当然、家の手伝いもやっていた。

機械では対応できない、田んぼの端っこに田植えをしたり、樒畑の草むしりをしたり、牛に藁をやったりしていた。

百足に刺されたり、ヒルに噛まれたり、鶏の断末魔を聞いたりもした。

命って痛いんだなあと実感していた。

海や空や、森は、綺麗だし気持ち良いけれど、なんとなくこわかった。空は嵐を起こすし、海は荒れる。

東京に住んでいると、まるでそんなことを思わなくなった。レプリカみたいな街だとつくづく思う。