目の前のことがやっと面白くなってきた
星野源のエッセイ本「そして生活はつづく」がKindleで300円だったので買って読んでみた。はあちゅうも面白いって言ってたし。
結果、めちゃめちゃ面白かった。天才なんだな。
つまらない日常をおもしろく解釈する、というあとがきのフレーズが印象に残った。
話はそれるが、私は1〜2年前海外旅行をたくさんしていた。大学1年とかだったのだけれど、夏休みと春休みどちらもヨーロッパへ1〜2週間行っていた。
キレイだったし、感動したけど、帰ってきても自分は何も変わっていなかった。
今考えれば当たり前の話だが。
あの時は、なぜか海外に行けば人生が変わると思っていた。浅はかこのうえない。
たぶん、日常がつまらなかったのだ。
私は、いつもなんとなく今いるこの場所はほんとうに自分がいるべき場所ではないと思っていた。仮の場所だと。
なんとなく、自分にはもっとふさわしい場所があるのだと、中学時代も高校時代も思っていた。
そして、大学でド田舎から都会に出てきて、私の人生はここからだと思った。
しかし、なんのことはない。
なんの変哲も無い日常がまっていただけであった。
面白くなかった。だから、まったく違う場所、たとえばヨーロッパで、人生が変わるような衝撃的な体験がしたかったのだ。
あの頃は、日常を面白がれるだけの目がなかったのだ。
今はというと、日常が楽しくて仕方ない。
周りにいる人たちも大好きだ。感謝してもしきれないと思っている。
大好きなこの人たちに私は残りの人生でどれだけのものを返していけるだろうかと考える。
欲しかったものは、ずっと自分の中にあった。
私はもっとなんの変哲も無い自分の日常のかすかなキラキラやキュンを一個も逃さない、そんな敏感な感性を育てたいと思う。