瀟洒、典雅

日々思ったこととか、学んだことをアウトプットしていく

人を好きになる過程

幼稚園に入ったのは、5歳くらいのときで、

周りの子よりは遅かった。

小さい頃から人見知りで、気が弱くて入ったばかりの頃は、親戚のアニキみたいな男の子の後ろに隠れていた。

好きという感情がどんなものか、

理解する前から彼のことが好きであった。

小4までそうだった。

高校の時、人づてに、バスケ部の〇〇くんが私のことをすきだ、という話を聞いて

その日にバスケの練習を見にいった。

たまに廊下で〇〇くんとすれ違うたびにドキドキしていた。

ある日の夕方、私は音楽室で昼寝をしていて、

へたくそなピアノの音で目を覚ました。

ピアノのほうに目をやると、〇〇くんがいた。

私は寝たふりをした。

それだけだった。

大学で、ちょっとだけ軽音サークルに入っていた。

同じバンドに、二浪しているだらしない先輩がいた。くずだったけど、声が綺麗で、

歌っているときは別人のようにカッコよかった。

冬の合宿で、夜中に雪合戦をしたあと

シャワー室でたった2人になった。

恥ずかしくて顔も合わせられなかった。

会話もそこそこに、逃げた。

たったそれだけだった。

大学も終わりの頃、企業で事務のバイトをしていた。

同じバイトで年は一個上だけど、休学していたから学年は同じの先輩がいた。

おっとりしていて、一重まぶたでやさしい人だった。

大好きになった。

彼には4年付き合っている同い年の彼女がいた。ある夜に、私たちは会社にたった2人だけ残っていた。

彼が近々バイトを辞めることを聞いた。

東京に行くという。

それが最後だった。

それから一年が経ち、私は東京で就職した。

思い返せばいままで、ただの一つの恋も成就することはなかった。

踏み出す間も無く、すきになった人は目の前から消えて行った。