キラキラ
涙が止まらなくなった。
もう目をそらすことができない。
そろそろ、認めなくてはいけない。
あの人のことが好きだ。今まで会ったどんな人よりも好きになってしまった。
恋とは、なまやさしいものではない。
ずっしりと、心の奥に居座って他の感情の入り込む余地がない。常に、あの人のことが好きだという感情の上で、何かを考えている。
その人は決して万能ではない。
欠陥だらけだ。不器用だから、敵を作らずに生きることができないのだ。
人にうまく何かを伝えることが苦手で、よく空回りをしている。
あの人が痛い時は、私も痛い。喜んでいれば、私も嬉しい。
幸せになってほしいと、心から思う。
苦手だと思っている人が多いけれど、みんな、もっとちゃんと見てほしいし知ってほしい。
それと同時に、私だけに優しくしてほしいとも思う。私だけが知っていればいいと。
矛盾しているのは分かっている。自分の気持ちなのに、わからない。
いつもどこか寂しそうだ。
ほんとうに欲しい物って何なんだろう。
嬉しいことって、何なの。教えて欲しい。
でも私にはできないことだってことは、何となくわかるから嫌だ。
絶対に叶うことは許されない恋である。
出会ったときから、恋人同士になってはいけない関係だった。
でも、この出会い方をしていなかったらきっと好きになっていなかった。
好きだなんて、口が裂けても言えない。
忘れたいけれど、毎日毎日毎日、好きは更新されていく。一挙一動に、心が、かき乱される。
明日もきっと、気持ちが溢れてしまわないように口を閉ざして、耐えなくてはいけない。
嵐が過ぎ去るか、いつかあの人との関係が変わる日をただ待っている。