自分で選んだ場所で生きているか?
時々、まだ幼かった頃の夢を見る。
夢の内容は全く覚えていないのだけれど、まだ私は実家に住んでいて、家族と一緒にいる。そして、ふっと目覚めて、あ、私いま東京にひとりなんだ、と気づいて悲しくなる。
最近は減ったけれど、まだ時々ある。
まだ実家にいた頃は、私は守られていた。
幼少期は家族の中で、小学校は学区内の決められた小学校で。
自分で自分の居場所を選択する必要はなかった。
でも、大学からは、自分の生きる場所は自分で探さなくてはいけなくなった。
そこから、色々な場所に居たし、色々な新しい人にあったし、もう今はどこで何をしているのかも分からない人もたくさんいるし、もうあまり思い出せない場所もたくさんある。
今働いている会社だって、周りにいる人々だって、私が選んだのだ。
選択することがこわくて、私はいつも自分からは何もしてこなかった。
けれども、今は間違いなく小さな選択をしてきた結果だ。それがすごくこわい。
だって、守られてきた時間のほうがまだ私のなかでは長いのだから。